【コラム】ブラックバイト、ブラックパートの傾向と対策

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【コラム】ブラックバイト、ブラックパートの傾向と対策

ここ数年でよく耳にするようになったブラックバイトという言葉。長時間低賃金で働かされ、正社員並みの業務や責任を求められる、ある意味ブラック企業に勤める会社員よりも悪質な状況に置かれている姿が見え隠れする。今では、非正規雇用として働く中高年や、パートの主婦もその影響を受けている。一見、被害を受けるのはブラックバイト・パートをしている学生や主婦のみというように思えるが、雇用を行い、管理している企業も自社のブランドに傷がついたり、SNS等で誹謗中傷のリスクが考えられる為、企業側も十分な注意と整備が重要である。

バイト先がブラックだと感じたら

ブラックバイト・パートは非正規社員をターゲットにしているが故にたちが悪い。働かないと生活が成り立たないことを分かっている上で、何かあれば簡単にクビにできるからだ。ブラックバイト・パートの特徴には次のようなものがある。
1.長時間労働
2.勝手にシフトを組まれる
3.人が足りないと急に呼び出される
4.生活できないほどシフトを減らされる
5.低賃金または残業代の未払い、サービス残業の要求
6.正社員並みの過重労働
7.罰金、弁償や買い取り
8.有給休暇の申請拒否
9.労働災害の不適用

そこでブラックバイトの被害を拡大させないための対策をまとめたい。
■書類を集める→労働契約書、給与明細、シフト表、タイムカード、連絡メール、診断書
■メモする→勤務時間、仕事内容、暴言・叱責語録
■アルバイト開始前に確認する→労働条件(雇用期間・賃金・担当業務・始業終業時間・その他)、就業規則、労災保険
■相談機関を活用する→労働基準監督署、ブラックバイトユニオン、法律事務所

以上のことを押さえつつ、「誰が」「いつ」「どこで」「何をした」かを整理して、勤務先と話し合う。勤務先との話し合いが不調に終われば、内容証明郵便で違法、または不当行為の是正を求めていくことになる。

ブラック企業と呼ばれないために注意すべきこと

平成28年8月に総務省統計局が発表した労働力調査によると、正規雇用は3,367万人で前年同期と比べると53万人の増加。非正規雇用は1,989万人で36万人増加している。
ここ数年、不景気の影響からか正規雇用を少なくすることで人件費を減らし、バイトやパートの非正規雇用を増やす企業が増えている。すでにバイトやパートを雇用している、または、これから雇用予定がある企業は前文で述べた内容を再度確認して欲しい。
残業代について、解雇、パワハラやセクハラ、職場でのいじめなど企業内で不当な待遇が起きぬよう、早い段階で労働問題に強い弁護士事務所に相談するのがいいだろう。

また、「36(サブロク)協定」と呼ばれている労働基準法36条を守っていない企業は、労働基準監督署(以下、労基署)の調査が入ることがある。労働基準法36条を要約すると
●労働者を法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働(1週1日または4週を通じて4日)させる場合には、労働組合と使用者で書面による協定をあらかじめ締結しなければならない」
●締結した協定は、労働基準監督署に届け出なければならない。
とある。
「就業規則や36協定などを労基署に届け出ていない」「協定した時間が労災認定基準を超えている」「過去数年のうちに労基署から是正勧告を受けている」などの企業は、労基署の調査対象になりやすい。未払いが発覚すれば過去3カ月〜2年分さかのぼって全額支払いすることになり、さらに悪質な場合は行政指導、改善が困難だとみなされれば送検される。

企業の本社や本部では、非正規雇用についてのコンプライアンスが徹底しているかもしれないが、現場の社員はノルマや売り上げを重視し、理解していないこともある。
一つの現場でブラックバイト・パートが行われていたら、知らないでは済まされず、気がついたらネットなどで「あの企業はブラックだ」と叩かれ、労基署の調査対象となる。そうならないためにも、アルバイト・パートがいる現場の責任者には、コンプライアンス違反にならないための勉強会などが定期的に必要なのではないか。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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