【コラム】ネットの危機管理が危ない! 大炎上を招かない極意とは?

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【コラム】ネットの危機管理が危ない! 大炎上を招かない極意とは?

企業にとって危機管理とは蓋然性のあるものだが、備えを怠ってはならない。その蓋然性は時代により変化するものである。事故や災害は昔から危機管理における基本であったが、ここ最近は時代を反映してネット絡みの問題が企業を悩ませている。

ネット発の企業情報は当然のごとく行われている。しかし、この便利なツールによる企業への誹謗中傷が近年では激増している。正確なデータは存在しないが、企業の危機管理が問題視され始めた20年前くらいには想定されなかった現象である。誹謗中傷とは、特定の者による企業への攻撃ではあるが、一概に悪と決め付けられないのが厄介なところだ。

業者の削除要請は違法行為?

イタズラや腹いせに企業を冒涜することは論外である。ひどい場合は名誉毀損が成立する。一方、企業の不祥事に対し、ネット上で怒りの声が発せられるのはある意味、仕方のないことといえなくもない。程度の問題となるが、ネットの声は消費者の反応を示すバロメーターとなり得るからである。そのネットの声も今や一定の影響力を持ち始めているので、企業がこれを無視すると足元をすくわれかねないご時世といえる。

企業に対するネットの声を、誹謗中傷と捉えるか、健全な批判との認識を持つかは、本当に難しい問題である。ただ、常識的にみて一線を超えた誹謗中傷に対しては、毅然とした対応をとることが必要だ。まずとるべき手段は、ネット上にあがった中傷の文言を削除することであろう。

誹謗中傷をそのままにしておくと風評被害が広がる恐れがある。被害を受けた企業の担当者が、直接、誹謗の内容を削除しようと試みるケースもあるようだが、これは事実上、不可能に近い。しょせんは素人のあがきに過ぎない。そこで近ごろ耳にする「書き込み削除専門業者」に依頼する企業も存在する。ただ、これには気をつけなければならない点がある。
削除専門業者が、依頼人である企業から報酬を得て、掲示板の管理者や、ソーシャルメディアの発信者に削除を要請することは、弁護士法72条が禁止する「非弁行為」にあたり、違法行為に該当する。本来は弁護士に依頼するものではあるが、ネット専門業者の方が身近に感じてしまう故の傾向なのかもしれない。

対応を間違えれば大炎上も

しかしながら、違法・不当行為である誹謗中傷に対応できる、代理業務を担える職業は、弁護士以外には存在しないのだ。被害者である企業が削除要請を試みて成功すればそれに越したことはないが、そもそも発信元の投稿者を特定することが不可能である。弁護士に依頼したならば、「発信者情報開示」「削除請求」をはじめ、名誉毀損に基づく「慰謝料請求訴訟」「損害賠償請求」「刑事告訴」などの問題がほぼ解決できる。
したがって、こうした問題を解決するために法律家が関与することで効果は絶大となるが、この時、ITに精通した「IT弁護士」と呼ばれる弁護士に相談することがミソとなる。誹謗中傷に対峙することは一見簡単なように思え、実はけっこう手間取るものだ。一歩対応を誤ると、削除どころか炎上を招いて、火に油を注ぎかねない状態になるのがネット書き込みの特徴である。

炎上してしまうと、検索上位に誹謗中傷の文言が拡散され、会社の受注や業績にも大きな影響を及ぼす。これらの現象は実際に起きていることだ。ネットにおける風評被害はとても恐ろしい。だからこそネット事件に熟知している弁護士が必要になる。IT弁護士のなかには風評被害のコンサルタントを請け負っているところもあるので、あわせて相談してみるのもいいだろう。
危機管理とは、時代により変化するものだが、ネットの誹謗中傷への対応は今の時代最大のリスクマネジメントといえるのかもしれない。

(記事提供/株式会社エスタイル)

 

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