良い条件での融資を得るために必要なこと〜信用格付けを上げるには〜【コラム】

会計事務所 国内法人税務

【コラム】良い条件での融資を得るために必要なこと〜信用格付けを上げるには〜

的確な経営判断につなげるために、タイムリーな財務状況の把握とその理解は、企業の運営に必要不可欠です。
財務諸表は、自社での経営判断資料という位置づけ以外にも、対外的な目的として第三者に財務内容を開示することにより、社会的信用を担保します。例えば、金融機関は融資の可否を決定する際、融資先の決算書をベースに検討します。それでは、金融機関はどのようなプロセスを踏んで融資をし、経営者側は融資に際しどのような点に注意すべきなのでしょうか。

金融機関が融資判断に使用する「信用格付け・債務者区分」とは

平成26(2014)年度に中小企業や税理士などを対象に実施された、「中小企業における会計の実態調査事業」では、顧問先において月次決算を行っている中小企業の割合は、「8~10割」が47.3%でした。この統計からみる限り、財務情報をタイムリーに報告できる体制にある中小企業の数は、そう多くはないようです。
また、顧問先経営者の決算書に対する理解度の問いには、「ある程度は理解しているが、曖昧な部分もある」が52.6%で最も多く、「完全に決算内容を理解し、正確に説明することができる」が35.9%、「全く理解しておらず、説明もできない」が11.5%と続く結果となりました。

金融機関では、融資の判断に信用格付け・債務者区分を使います。信用格付けや債務者区分の方法については、金融庁が作成した「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」に記載されており、これをベースとして金融機関ごとに具体的な評価・査定方法を定めています。
企業が金融機関に決算書を提出すると、大きく分けて3段階の評価を経て、信用格付けが決定されます。一次評価では、決算書などの財務データをもとに安全性分析・収益性分析などといった財務スコアリングモデルを用いて「定量評価」します。続いて、「定性評価」といわれる二次評価にて、将来または長期的にみて企業の業績に寄与する、数値化できない項目を主観的に評価します。この中には、営業力、技術力、経営者の資質、市場動向などが含まれます。そして最後の三次評価で、回収できない売掛金や滞留在庫などの不良資産をまとめ、実態に合わせて調整した後、今後3~5年間における信用力について格付けが与えられます。
信用格付けの結果をもとに、「正常先」「要注意先(要債権管理先)」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5つに分けられた“債務者区分”という自己査定の作業に入ります。

良い信用格付けを得るためには

それでは、信用格付けが良くなる方法はあるのでしょうか。信用格付けで大きなウエイトを占めるのが「定量評価」です。これはズバリ借入金を少なくし、債務超過に陥らずに利益を増やすことで、財務内容が改善します。金融機関の融資に頼る前に不要な資産を売却するなどして、いかに資金調達ができるかもポイントになるでしょう。
また、「定性評価」の向上においても、経営者が財務計画を含む中長期経営計画を作成し、向こう数年の経営ビジョンをアピールする場を作り、融資先の金融機関を安心させることも重要です。

これらを実践するには、まず前述のようなタイムリーな財務状況の把握とその理解が前提です。ただ、月次決算未実施の中小企業が、よい信用格付けを得るために自社でいきなり全てを行おうとするのはあまりにもハードルが高いと思いますので、まずは税理士や、財務支援に強いコンサルタントなどに相談してみてはいかがでしょうか。

(記事提供/株式会社エスタイル)

中小企業向け財務支援コンサルティングを行う会計事務所を探す

一覧に戻る