中小企業に「会計監査」は必要? 監査法人選定のポイントとは?【コラム】

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中小企業に「会計監査」は必要? 監査法人選定のポイントとは?【コラム】

昨今、不正会計のニュースを見聞きし、果たして自身の会社は大丈夫なのだろうか? 不正はなくとも、帳簿はルールに基づき正しく記帳され、あるべき企業の業績や財務状況が反映されているのだろうかと、心配に思う経営者の方もいるかもしれません。

例えば、もしご自身の会社が銀行から融資を受けようとする場合、直近の財務諸表の提出を求められる場合があります。銀行にとって、財務諸表が会社の財務状況を知る唯一の手段となるわけですが、会社の経理担当者が作成した財務諸表だと、重大な記帳ミスなどが見過ごされていたり、記帳に偽りがあったりするかもしれません。
そこで公認会計士が、正しく財務諸表が作成されていることを証明するのが「会計監査(以降「監査」)」です。

会計監査で行われることと、その注意点

監査の流れは、大きく分けると
(1)予備調査
(2)監査計画の立案
(3)監査手続の開始
(4)監査意見の形成
(5)審査
(6)「監査報告書」の提出
となります。監査を受ける会社側に関係するのが(1)から(3)です。(1)予備調査では、監査を受ける会社が監査に協力する体制にあるか、監査に対応可能な内部統制が構築されているかどうかなどを調べます。また、(2) 監査計画の立案では、管理組織のレベル、内部統制の整備・運用状況、取引の実体などを分析して、誤記帳の可能性の高い箇所を選定します。

(2)で作成された監査計画に基づき、(3) 監査手続を開始します。「売上」や「仕入」などの勘定科目ごとに、実査・立会・確認・勘定分析といった監査手続を行い、監査証拠を積み上げていきます。

監査を受ける上での注意点は、監査人は勘定科目を分析する他、定款といった会計以外の資料や、取引先に残高が正しいかを確認します。なぜその金額になったのか、説明を求められる場合があります。このため、担当者は過去の財務諸表との増減分析や当年度動きが大きかった特定の科目の内容を分析し、予め説明ができるよう準備しておけば、監査中に慌てることもないでしょう。
また、未回収の売掛金リストと回収対応記録、滞留在庫や不良在庫のリスト、記帳にあたりその根拠となった証憑(しょうひょう)書類を揃えておくことも重要です。

監査法人(会計事務所)選定のポイント

監査は監査法人(会計事務所)が行いますが、監査を受ける会社側の規模が中小であっても、将来上場や国内外に広く進出を検討している場合は、大手監査法人などを選ぶと対応しやすいでしょう。
監査法人の規模以外にも監査費用なども選定のポイントではありますが、監査はあくまでも継続的に行うため、費用の安さだけで選定すると翌年以降値上げされることもあるかもしれません。
また、公認会計士との相性も大事でしょう。対応の速さ、専門性や監査対象企業が属する業界の知識の深さなど、選定の対象となる項目は意外に多いのではないでしょうか。

日本にある約382万社の法人の中で、中小企業は約381万社、99.7%を占めます。大会社(貸借対照表の資本金が5億円以上、または、負債の部の合計額が200億円以上である株式会社)は監査が必須ですが、中小企業は任意です(その際、会計監査人を機関として定款に記載することが必要)。
ただ、一旦監査人を設置した場合には、会計監査人監査が法定監査として義務付けられることとなります。その代わり、財務諸表の信頼性や会社の社会的信用も高められます。今後、会計監査が必要になるかもしれない方は、上述の選定のポイントを参考にしていただければ幸いです。

 

(記事提供/株式会社エスタイル)

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