企業法務に求められるコンプライアンスとは?【コラム】

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企業法務に求められるコンプライアンスとは?【コラム】

企業活動において法令遵守は絶対的な条件である。さらには社内規定に基づいて行動することも企業倫理として求められる。このような基本的な行動規範であるコンプライアンスの扱いはとても難しいものであるが、昨今、企業の屋台骨を揺るがす事件が相次いだ結果、企業に求められるコンプライアンスが再び脚光を浴びている。

コンプライアンスが求められる背景

現在は、しきりに企業コンプライアンスが求められる時代である。その要因になっているのが、企業不祥事がもたらすリスクの大きさだ。かねてから企業がらみの事件や倫理に反する行為はあり、その都度、問題視されることはあったが、企業経営を揺さぶるほどの事態に発展することはそれほど多くはなかった。

しかし時代は進み、今では株主や消費者による監視の目は厳しくなり、客離れがシビアに起きる時代となった。また、その前段階としてメディアの力も大きい。特にネット経由の批判(炎上)は日に日に影響力を増している。大手居酒屋チェーン店の業績悪化に影響を与えたのもネット炎上であった。

かつてなら想像もできなかった事態が企業不祥事を拡大していく。それは看過できない事態へと発展し、企業コンプライアンスが欠かせない行動規範として注目される要因になっている。

適用範囲はどこまで?

コンプライアンスが大切な概念として頭の中では理解できていても、その対象範囲が広いため、全体像がつかみにくいことが混乱を招いているようだ。そこで、コンプライアンスを具体的に示すと次のように分類できる。

■法令違反
・会社法、労働基準法、独占禁止法…各企業共通の法律
・建築基準法、食品安全基本法、薬事法…業界ごとの法律
・条例、省令、規則…自治体ならびに省庁が定めた規則
■規則違反
・就業規則…労働基準法をもとにつくられた社内規則
・個人情報保護規定…企業が集めた情報の取り扱い規定
■倫理規範
・セクハラ、パワハラ…人権に関するモラル規定
・反社会的行為…暴力団などの反社会的勢力との交友禁止に関する定め

中小企業のコンプライアンス~不祥事対策は?

上記以外にもいくつもの事例があげられるが、コンプライアンスとは国内法に限らず国際法を含めた国境を超えて適用される概念といえるだろう。抽象的な概念のため法令遵守のみが対象となる考えがある一方、モラルも合わせて企業コンプライアンスを捉えるべきだという考え方もある。

識者や法律家の間でも議論が交錯する問題ではあるが、企業不祥事には法令違反だけでなく企業モラルも含めるのが時代にマッチしているといえそうだ。「法令には違反していない」という考えだけで判断を下してしまうと世論の反感を買ってしまう恐れがある。ブラック企業の問題やハラスメントは、直接、違法行為として扱うことはできないかもしれない。しかしながら倫理規範に触れる重大な問題である。

一歩間違えれば、企業不祥事からいとも簡単に経営不振に発展するご時世である。最悪の事態を避けるためにも、日頃から顧問弁護士とコンプライアンスについて話し合っておくことが企業不祥事への対応に役立つことだろう。また、弁護士をインハウスローヤーとして採用して、未然にリーガルリスクを予見できる組織体制を整えることも効果的であるように思う。

(記事提供/株式会社エスタイル)

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